漫画や小説のネタを探している人のために、創作のヒントになりそうな逸話を紹介します。
マックス・マリーニの逸話
マックス・マリーニとは、クロースアップ・マジックの名人といわれるアメリカのマジシャンです。
今回は、そんな偉大なマジシャン「マックス・マリーニ」が仕掛けたおどろくべきトリックの種と逸話を紹介します。
逸話:道ばたのトランプ
ある日、マリーニが友人と二人でマジックの話をしながら歩いていたときのことです。道ばたに裏返しになったトランプが1枚落ちていました。
友人は「さすがの君でも、あそこに落ちているトランプの絵柄と番号を当てることはできないだろう」とマリーニにいいます。
しかし、マリーニは平然と「わかるよ」といってのけ絵柄と番号を予言します。友人がトランプをめくって確かめると、おどろくことにマリーニの予言は的中していました。
なぜ、このようなことができたのか?
実は、マリーニは事前に通りそうな道のすべてにトランプを自分で仕掛けていたのです。そして、友人と歩いているときにそれとなくマジックの話を振って友人がマリーニにトランプの柄を聞くように誘導していたのです。
このような用意周到さこそ、マリーニが一流のマジシャンでありエンターテイナーであるゆえんです。
逸話:絵画の裏のトランプ
マリーニの用意周到さがわかるエピソードをもうひとつ紹介します。
ある日マリーニが数年ぶりに友人の家に招かれたとき、彼は友人にねだられてカードマジックを披露します。
友人が選んだトランプを消し、そのトランプを部屋に飾ってある絵画の裏から出現させるというマジックでした。
おどろくことに多くの人がマリーニの動きを観察するなかで、彼は一度も絵画に近づかずにそのマジックをやってのけたのです。
なぜ、このようなことができたのか?
実は数年前に友人の家をおとずれた際、マリーニはいつかマジックを披露する機会があるかもしれないと思って絵画の裏にトランプを隠していたのです。
このように彼は人々をおどらかせるために常に準備をおこたりませんでした。他人に借りた帽子の中から巨大な石やレンガを出現させるマジックを披露するために、上着の中にいつもそれらを隠していたともいわれています。
そして自分からはマジックを披露せず、機会がくるまで待ちつづけるのです。マリーニの鮮やかなマジックの裏には、おどろくほど単純なトリックとすさまじい忍耐力が隠されていたのです。
マックス・マリーニの名言
さいごにマリーニのかっこいい名言を紹介します。マジックを披露する際、高価な机に傷をつけてしまった彼がいい放ったひとことです。
骨董品に傷がつき、価値が損なわれたと嘆く主人にマリーニはこういいました。
机の傷はマックス・マリーニがつけたものだといえば問題ない
この偉大なマリーニの傷が刻まれた机がどうなったのかは知りませんが、彼が帽子の中から出現させた石をよろこんで飾っているバーなどは当時あったそうです。